倉敷のコンクールが終了しました。多数のご参加・ご声援・ご支援、本当にありがとうございました。
コンクール当日は運営のお手伝いをしつつ、こんな感じで少しだけ実況していました。
さて、タイトルの通りですが、近年の若い世代のレベルアップがハンパなく、今年もその様子を目の当たりにしてきました。
倉敷のコンクールは制限時間ありの自由曲制ですので、曲目からもその様子が伺えました。
部門ごとにまとめて次回以降の変化の様子を見たり、参加を考えている方の選曲の参考になればと思います。
目次
中学生の部
第13回の参加総数8名。半数が中国地方以外からの参加でした。
曲目のまとめは誰も被っていなかったので割愛。
入賞者はそれぞれ、
- クレストン:ソナタ 1楽章
- スパーク:パントマイム
- モーリス:プロヴァンスの風景 1.2.3楽章
を演奏されてました。
10年くらい昔は、高校生部門で常連だった曲たちだったのですが、今では中学生部門でその名前を見ることに。クレストンのソナタは昔から東京藝大の入試の曲になっていたと思います。
技術の進歩、おそるべし。技術もさることながら、音楽的な完成度が素晴らしいなと思いながら聴いていました。
高校生の部
参加総数19名。こちらもおよそ半数が中国地方外からの参加。
演奏曲目で多かったのが
- ボノー:組曲 3名(楽章はそれぞれ)
- デザンクロ:PCF 2名
- トマジ:バラード 2名
- モーリス:プロヴァンスの風景 2名
大きな偏りというほどではありませんが、デザンクロが入ってきているあたり、一昔前とは違うなと感じます。
またコンチェルト(トマジ・ラーション)を取り上げていた方もいて、(それ大学入学以降、しんどい思いしてやったわ・・・)と思ったのは内緒。
入賞者は
- デザンクロ:PCF
- トマジ:コンチェルト
- デザンクロ:PCF
の3曲を取り上げていました。
高校生部門?本当に?というのが正直な感想です。
大学生・一般の部
総数19名。ほぼ中国地方外からの参加。そのほとんどが関東からの参加でした。
前回の人数をはっきりと記憶している訳ではありませんが、参加人数は増えており、中でも近県外からの参加者の割合が多いのが印象的でした。
他の楽器に比べ国内のサクソフォンのコンクールが少ないことも関係していると思います。
多かったのは、
- イベール:コンチェルティーダカメラノ5名
- ブートリー:ディヴェルティメント 2名
- クレストン:コンチェルト 2名
- ウェニャン:ラプソディー 2名
入賞者は、
- 伊藤康英:ツヴァイザムカイトへの補足的一章
- クレストン:コンチェルト
- イベール:コンチェルティーノダカメラ
の選曲でした。
イベールが多いのは、サクソフォンを勉強する人が「誰でも必ず」と言っていいほど通る道であるほどの重要な曲であること、そのため他のコンクールの課題になることが多いこと、制限時間が10分になっているため・・・。
などの理由からだと思います。
次回のベルギーのコンクールでも最初のテープ審査にこの曲が選ばれており、そういう理由も後押ししたのかもしれません。
ベルギーのコンクールについては、次回2019年の参加要項を日本語訳した記事をアップしてますので、興味があればご覧ください。サックス界のオリンピックで毎回世界的スターを排出しています。
(参加を考えている方たちはくれぐれも参考までに。元サイトのリンクも載せてますので必ずそちらをご覧ください。)
今後のコンクールの予想
大きなルール変更がなければ、ここ数年は似たような選曲になるはずです。
ただ技術の進歩が早いので、そう遠くない未来に今の高校生の部で選ばれる曲が中学生のスタンダードになり、大学一般の部の曲と高校生の部の曲の差がなくなっていくでしょう。
サックスはヴァイオリンの様に小さいサイズの楽器がなく(カーブドソプラノやソプラニーノはありますが)重量もあるため、幼少期から始めるには限界もあり、技術はどこかで頭打ちになる・・・はずですが、どうでしょうか。
最後に
若い学生主体のコンクールではありますが、技術・音楽の水準が素晴らしく、もはやリサイタルを聴いている感覚で楽しんで裏方をしていました。
それだけにお客さんが少なかったのはもったいなく、こんなツイートもしていました。
来年も実行委員であれば裏方を。そして個人的にはツイートにもある「何かそういうアレ」を模索できたらと思います。