シンクルームでの配信ができるようになるまで

シンクルームで遊ぼうというシリーズを始めてから5回になりました。

ほぼほぼ知識がないところからのスタートで、めちゃめちゃ試行錯誤したので、その足跡を残しておきたいと思います。

目次

シンクルームについて

ヤマハの遠隔アンサンブルができるアプリケーションです。

この記事に辿り着いている方には説明不要でしょうが、こちらからダウンロードできます。

https://syncroom.yamaha.com/

シンクルームで遊ぼう(仮)の配信について

この配信は東京・宮崎の遠隔アンサンブルでやっております。

サクソフォンは赤木俊祐、ピアノは酒井勇也です。

配信はお互いに自宅から行なっています。

実際の配信の様子

こんな感じで配信しています。

この記事ではこの配信に使用した機材を中心に、これまでの変遷なども話をしています。

使用している機材やアプリケーション(vol.5 時点)

東京(サクソフォン)側

使用機材

  • パソコン(MacBook Air, Intel Core i5, メモリ8GB)
  • オーディオインターフェース(Steinberg UR22mk2)
  • マイク(JTS tx-9)
  • iPhone
  • 各種ケーブル類

使っているアプリケーション

  • SYNCROOM
  • ZOOM 
  • YouTube配信ページ

宮崎(ピアノ)側

  • パソコン1(syncroom用)(富士通 SH76/HN, Intel Core i5, メモリ8GB)
  • パソコン2(配信用)(dell inspiron 15, ryzen7, メモリ16GB)
  • オーディオインターフェース(YAMAHA AG06)
  • ヘッドセット(エレコム hs-g01)
  • ウェブカメラ(ロジクール c922pro)
  • 電子ピアノ(KORG B2SP)
  • 各種ケーブル類

使っているアプリケーション

パソコン1(syncroom用)

  • STNCROOM
  • ZOOM

パソコン2(配信用)

  • ZOOM
  • OBS

ちょっと複雑な配信方法になっていますが、YouTubeの配信枠の管理は東京側で、配信に載せるための音声や映像の調節は宮崎でやっています。

通信速度について

https://fast.com/ja/

東京側も宮崎側もこちらの通信速度計測で上下共に70~90Mbpsくらいです。

東京側がフレッツ光、宮崎側がauひかりの回線で、IPv6で接続しております。

シンクルーム自体は15Mbpsあればアンサンブルができるそうですが、通信が安定しているかどうかが鍵になるようです。

配信をする場合、通信速度に可能な限り余裕を持っておいたほうが良いと感じています。

ちなみにシンクルームの公式ページにも回線チェッカーがあります。

https://syncroom.yamaha.com/play/tools/linecondition/calc_condition.html

今日の時点での私(東京側)はこのように出ます。

我々がこの形に落ち着いた理由(読み飛ばしても可)

当初は東京側で配信に関する全てを行う予定だったのですが、Macで配信するのが難しかったので、宮崎から配信する形にしました。

使用しているYouTubeアカウントは私(東京側)のものだったので、配信用のストリームキーを宮崎側でOBSに入れてもらっています。

Mac で配信するには仮想オーディオデバイスを使えば可能だそうで、我々も最初その形でやる予定でした。

しかし挙動が安定しないことがあった(おそらく設定が良くなかったのだと思いますが、理由がよくわからなかった)ので、現在の形にしています。

Macでの配信については、他の方がまとめの記事を書いてくださっているので、検索してみていただくと良いかと思います。私も安定して配信ができるようになったら追記したいと思っています。

宮崎側がPC2台なのは、たまたま買い替え時期だったというのが大きいので、配信のためだけに用意したわけではありません。

ですが、それでも2台あるとPCにも余裕ができるのでちょっと安定した配信ができている!…ような気がしてます。笑

これからやる人にオススメしたいこと

絶対有線接続、できる限りIPv6がいい

とにかく安定した回線を確保するのが最優先です。syncroomだけでなく、同時に配信も行うので絶対有線接続がいいです。

と、強く書いてしまいましたが、少なくとも我々の現状ではWi-Fiで配信を行うという選択肢がないのは間違いないです。

また可能ならIPv6接続が安定して速度が出るのでかなりオススメです。

IPv6とはめちゃめちゃ簡単に説明すると、混雑しにくいインターネットの接続方法です。

契約しているプロバイダのホームページから今どの接続方法になっているか(IPv4なのかIPv6なのか)は確認できると思いますので、syncroomを使う際には確認してみてください。

この企画が立ち上がった時は東京側がIPv4、宮崎側がIPv6での接続でしたが、その状況では我々は配信にしようと思わなかった(きっと)くらい大きな違いがありました。

プロバイダによっては申請するだけで、追加料金なしでIPv4からIPv6にできるところもあります。

が、ルーターなどがIPv6に対応していないこともありますので、IPv4からIPv6に変更する際には周辺機器の確認もお忘れなく。

ちなみに私はルーターを買い直しました。笑

配信ということをメインに考えるとYAMAHAのオーディオインターフェースは使いやすい

我々も初心者なので、あまり偉そうに書けないのですが、配信をする上でYAMAHAのオーディオインターフェースはかなりオススメできます。

配信に必要な機能・入出力がオールインワン!みたいな感じのオーディオインターフェースです。

東京側は今でこそスタインバーグを使ってますが、初期はAG03を使用しておりました。

その他の機材を購入するべきかどうか、購入失敗したなと思うものがあったか

おそらくこれから我々と同じような配信をしようとしている方にとって、機材を買うのかどうかというのは大きな問題になっているのではないかなと思います。

(自分でDTMしたり、自前の機材がある人はこの記事読まなそうなので。笑)

我々は「自宅から・無理せず・なるべく高音質で」を目標にして試行錯誤してきたのですが、現状「これ買って失敗したなー」というのは無くできています。

もし移動があるなら、オーディオインターフェース+マイクではなく、USBマイクの方が手軽にできるかもなーと思っているくらいでしょうか。

他で使っていたもの(web会議とかオンラインレッスンとか動画投稿とか)をそのまま配信で使っているので、コストも抑えめにできている…と思います。

もし、配信用に機材を買おうかなと思っているのであれば、オンラインレッスンの環境構築なども一緒に検討してみるのはいかがでしょうか?

また「とりあえず一回やってみたいんだよな」という方。。。も、自前の機材買った方がいいのかもしれません。そういうのに詳しい友人がいる人は別ですが。

私の場合、「このツマミなに?何が変化するの?」「このボタン何?」「どういう順番で接続すればいいの?」と機材の勉強から始める必要があったので、これは他人の機材ではできないぞと思いました。笑

詳しい友人がいる方は、有線でネットに繋げられる音楽スタジオなどで実験もいいかと。スタジオだとマイク類ケーブル類や借りれますしね。

みんな気になる遅延について

あるか無いかで言ったら、遅延はある

我々の環境では30-40m/sの遅延があります(シンクルームの表記上)

配信を見ていただくとわかるかと思いますが、ぴったり合わせたいところが合わなかったり、リズミックな曲のテンポが安定していなかったりします。

もちろん恥ずかしながら演奏の技術不足の面もあるのですが、シンクルームの遅延は10~20メートルくらい離れてる相手とアンサンブルしている感じがしています。

耳から聞こえてくる音にぴったり合わせて演奏しようと思うと、配信ではちょっとだけ遅れてることになるので、ちょっとだけ早く出るつもり、ちょっとだけ前に出るつもりで、お互いが演奏できると安定します。

これは我々の体感ですが、この遅延が50m/sを越えるとだいぶアンサンブルがしんどいと思いました。

また、遅延が少なくてもやりにくい曲、遅延があっても演奏できる曲があるのも面白いところです。

この配信でもどうしてもできない曲があったりもしました。

ちなみに、シンクルームにはメトロノームの機能があるのですが、これが非常に便利です。

メトロノームに合わせて演奏すると、音が合うように調整されているので、どうしても合わせられない時や相手のテンポ感が掴みづらい時に非常に重宝しています。

配信トラブルについて

音がブツブツする

未だに完全な解決はできていませんが、当初より良くなってきていると思います。より安定するために試行錯誤している最中です。

きっとブツブツする瞬間が全くない!って状態にするには、より速度の出る回線にしたり、パソコンのスペックをあげたりしないといけないのかなと感じています。

また、混雑する時間帯を避ける・配信関係以外のことをPCにさせない、これだけでも違うので、どうしても不安定になっちゃうなという方は確認してみてください。

我々の配信の快適さ向上にめちゃめちゃ効果的だったのは、前述した有線とIPv6だったなーと思います。

他のアプリからの干渉

配信時に段々音が小さくなったり、急に雑音まみれになったりと妙な挙動をすることが何度かあったのですが、割と他のアプリが原因になっていることが多かったです。

Zoomなんかはweb会議用のアプリなので、自分の声以外の音(背景音)をなくして会議がしやすいように調整してくれたりするのですが、シンクルーム の配信に関してだけいうとお節介になってしまうので、そういう設定はOFFにします。

パソコンのOSによっては「自動音量調整」みたいなのがあったりするみたいなので、そういう設定は切っておく必要があるかなと思います。

気をつけないとハウリングするよ

配信環境にもよりますが、PCの内蔵マイクやスマホのマイクなどが使用状況によってはハウリング起こす場合があります。我々もそこそこやりました。笑

必要ないマイクはめんどくさがらずにミュートにしておいたほうが無難です。

今後試してみたいこと

追加のPCやPCのスペックアップはやってみたいところ検討しています。

Macbookでの配信も今は中断してるけど、ぜひやってみたいところです。

機材のグレードアップも検討してますが、演奏空間が結局家だしなーというのもあって、ちょっと二の足踏んでます。笑

が、マイクはUSBマイクも含め試してみたいので、いつかきっと追記したいと思います。

また、シンクルームで使えていない機能(VSTモード)とかもあるので、ちゃんとDTM勉強して導入できるようにしていきたいとも考えております。

現状、「遠隔アンサンブルができて楽しい・遠隔地の人と音を合わせられて楽しい」までは来れたので、この環境でしかできないこととか、配信スタイルの確立を模索していこうとしているところです。

終わりに

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

もともと機材の知識がある方からすると「なんやねん」くらいの情報かもしれませんが、我々はこんな感じでやっております。

しばらくは定期的に配信をしていく予定にしておりますので、また追加があれば記入するのと、

シンクルームやOBSの細かい設定については、長くなるので別の記事で紹介したいと思います!

最後までご覧いただきありがとうございました。